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「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」が無事終わりました。
ここに、展示の概要を説明します。
2015年の1月1日より12月31日までの365日に、一日一作品、作品中央下に日付けを入れた作品を制作し、365作品が出来ました。

365
Papiers-Collés

a day
a collage
jan.-dec.
2015

「展覧会にあたって」に記述したが、「一日毎の「パピエ・コレ」は、一日しか存在しないエフェメラとも言えるが、一つの作品である。また、それらが纏まった各月毎、さらには 365日の「パピエ・コレ」 アーカイブは、私の感性と触覚によって創造された一つのシリーズ作品でもある。これは、私のユニバース「宙」になった。」エフェメラルなものから宇宙へと広がる世界を見ていただきたいと考えた。
そして、「その「宙」を作品を額に入れて展示、手製版の各月毎の冊子体と映像展示で見ていただく」と。
展示会場は二部屋。
最初の部屋に、額に入れた作品を39作品展示。
「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_848209.jpg


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もう一つの部屋に、壁面に投影する映像。
「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_9401316.jpg


1月〜12月までの365作品を連続的に見ていただきことにした。
1ヶ月がほぼ2分で、一年間で24分ほどの映像。
「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_9402642.jpg


「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_926220.jpg

映像を投影する手前に展示台を設置し、その上には、1月から12月までの各月の12冊の作品集をならべ、自由に手に取って見ていただくようにした。
「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_9404186.jpg


12ヶ月の作品集展示台の手前左右の壁面には、大判サイズの作品2点、インチサイズの額に入った小型の作品4点をヴァリエーションとして展示した。
「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_9414241.jpg


「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」展示内容_b0191395_941497.jpg

展覧会のお知らせ

「手嶋毅 365日のパピエ・コレ展」

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4月に展覧会をします。是非ご覧いただきますよう
以下にご案内をいたします。

会場:表参道画廊+Musée F
渋谷区神宮前4-17-3 アーク・アトリウムB02
会期:2016年4月11日(月)〜16日(土)
12:00〜19:00(最終日17:00)


ー展覧会にあたってー
 「パピエ・コレ(Papiers Collés)」は「貼付けられた紙」。その呼び方は、ポール・セザンヌやアンリ・マティスの影響を受けたジュルジュ・ブラックとパビロ・ピカソのキュビズムの頃に溯る。多視点で、描く対象を徹底的に分解するキュビズム絵画は、1912年頃に、日常に存在する新聞紙、包装紙等の紙の一部を油彩の画面に貼込む「パピエ・コレ」により、対象の具象性からかけ離れてしまった表現に一片のリアリティを持ち込むことで新規なテクスチャー獲得し、新たな変容と表現を生むことになった。この「パピエ・コレ」による異物の組合せの概念は、ダダやシュールレアリスム運動の中で、「コラージュ」「アサンブラージュ」「モンタージュ」と実存しない意想外の虚構空間を創造する手法として平面だけでなく立体作品をも生み出すことになった。一方、その後、ピカソが「ゲルニカ」を描いている1937年頃に、ピカソの12歳年上であるアンリ・マティスは、自身の後半生で「紙」だけによって、純粋に「色と形」による新しい表現を見出しつつあった。これはピカソ等が始めた目的とは異なったものであったが、「パピエ・コレ」である。ガッシュで塗られた紙をハサミで切り、「紙に糊付する切り紙絵(Cut-Outs)」といわれている。 それは彼独自の手法として発展し、彼が73歳頃からは、色彩を直に扱い、その色の純化と形の単純化によって構成された表現は、「線画と彩色画との間の大きな隔たり」という従来抱えていた葛藤を解消し、今までを総括する輝かしい創造の喜びに浸っていくことになる。
 
 私にとっての「パピエ・コレ」は、30年程前になり、1986年に「A DAY A COLLAGE」(アトリウム)という展覧会をしている。その時は、雑誌等の印刷物を切り取って「パピエ・コレ(コラージュ)」をして、その上に直感的にドローイングするのを日々楽しんだものだった。   
 
 今回は、「色と形と手描き」の組み合わせの楽しみ、それに一年間という継続する時間軸を加えて制作した。毎日の午前中を制作の時間とし、一日一日が新しく感じられ、刺激的であり緊張もあった。高村光太郎は指先が僅かな起伏に気づき、「嗅覚は鼻の粘膜の触覚による」と言い、「色彩が触覚でなかったら(絵画の)画面は永久にぺちゃんことなるだろう、人間の五官は殆ど全く触覚に統一される」と語っている。そう、制作をしている時に、私もこの「触覚」を感じることがあった。私にとっても「パピエ・コレ」の制作は、ドローイングした紙片や色紙を「触覚」で色と形を感じながら、「色を活け」「形を活け」た。それが、制作された作品の色と形が立体化しているようにも感じられる所以だろうか。
 一日毎の「パピエ・コレ」は、一日しか存在しないエフェメラとも言えるが、一つの作品である。また、それらが纏まった各月毎、さらには 365日の「パピエ・コレ」 アーカイブは、私の感性と触覚によって創造された一つのシリーズ作品でもある。これは、私のユニバース「宙」になった。
 その「宙」を、作品を額に入れて展示、手製版の各月毎の冊子体、そして映像展示で見ていただくことを考えている。
2016年1月 手嶋毅

作品の一部をご覧下さい。

手嶋毅 365日のパピエ・コレ展_b0191395_22005445.jpg
2015.2.03.
color papers, acrylic, water color, cut and pasted
260×370mm


手嶋毅 365日のパピエ・コレ展_b0191395_21574324.jpg
2015.5.01.
color papers, acrylic, water color, cut and pasted
260×370mm

手嶋毅 365日のパピエ・コレ展_b0191395_21585591.jpg
2015.7.01.
color papers, acrylic, water color, cut and pasted
260×370mm

手嶋毅 365日のパピエ・コレ展_b0191395_22030538.jpg
2015.9.27.
color papers, acrylic, water color, cut and pasted
260×370mm

手嶋毅 365日のパピエ・コレ展_b0191395_22041732.jpg
2015.11.09.
color papers, acrylic, water color, cut and pasted
260×370mm



1月生まれの画家たち
ニコラ・ド・スタール
ギュスターヴ・ドレ(1832-1883)
アントニオ・ロペス・ガルシア
パルミジャニーノ
フセーペ・デ・リベーラ(1591-1652)
カイム・スーティン
ベルト・モリゾ
ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-1899)
アンリ・ファンタン=ラトゥール(1836-1904)
ポール・セザンヌ
エドゥアール・マネ
キース・ヴァン・ドンゲン(1877-1968)
ジャクソン・ポロック

ニコラ・ド・スタール
(Nicolas de Staël 1914.1.05.-1955.3.16.)
1月5日はニコラ・ド・スタール(Nicolas de Staël 1914-1955)の誕生日! Happy Birthday でもやっと絵が認められて、描きに描いていた頃に行き詰まって41歳の時に自殺した。
帝政ロシア末期、名門貴族の家にサンクトペテルブルグで生まれたが、1917年のロシア革命で生活は変わり、苦しい生活の中で一途に絵の生活をフランスで続ける。
30歳後半より、風景を中心に具体的なものを描く彼の作品は、力強い厚塗りの色面で構成され、見る人には「抽象画」と感じさせる。
こどもたちに、家並みと遠景の水平線を描いたTATE所蔵の作品(下段リンク先)を「抽象画」としてこの作品を見せたら、「では、この作品は風景画といわないの?」と疑問を投げかけられた。
「いや、描いた人は具体画であっても、見る人には抽象画となる」と訳のわからない説明をしてしまった。
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http://www.tate.org.uk/art/artworks/stael-landscape-study-t00607


アントニオ・ロペス・ガルシア(Antonio López Garcia 1936.1.06- )
6日はスペインの偉大な現存画家アントニオ・ロペス・ガルシア(Antonio López García)の誕生日。
その写実は、カメラによる写真と異なり、人間の眼と手によって長い時間とともに画面に定着される。描く行為さえも画面に固定されていくように感じる。それを感じたのは、ロペスがマルメロの実の成熟や季節とともに変化するその対象を描こうとする姿を、ビクトル・エリセ監督が記録した映画『マルメロの陽光』を見た時からだった。
Happy Birthday to Antonio López García!!
2013年、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催された日本最初の個展「アントニオ・ロペス展」は、印象深く残っている。
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その写実は、カメラによる写真と異なり、人間の眼と手によって長い時間とともに画面に定着される。描く行為さえも画面に固定されていくように感じる。それを感じたのは、ロペスがマルメロの実の成熟や季節とともに変化するその対象を描こうとする姿を、ビクトル・エリセ監督が記録した映画『マルメロの陽光』を見た時からだった。
「作品」はもとより、「描く行為に意味があり重要」と考えているアーティストという感じ。
その意味では、コンセプチュアル。

パルミジャニーノ ( Girolamo Francesco Mazzola il Parmigiano 1503.1.11.-1540.8.24.)

1月11日はイタリア16世紀前半の画家通称パルミジャニーノ ( Girolamo Francesco Mazzola il Parmigiano 1503.1.11.-1540.8.24.)の誕生日。パルマ生まれだからパルミジャニーノと呼ばれていた。
G.ヴァザーリの「美術家列伝」によると、「この男は優れた画工に必要とされる、およそすべての素質を天から存分に授かっていた。彼の手による人物画はその仕草の中に、ある種の艶やかさや甘美さ、淑やかさがみられる...彼によって芸術界は優美さという名の教示の明かりで照らされたのである。」と大変な褒め言葉がならぶ。この作品はウィーン美術史美術館にある《凸面鏡の自画像》、1524年の作だから彼が20歳過ぎの作品。この作品を持って翌年ローマへと活躍の場を求め出かけ名作を残す。残念ながら37歳で亡くなる。ヴァザーリは続けて述べる。「ああ、もしこの男が水銀を固めるような奇想にうつつを抜かすことなく、絵画の道にいそしむように神が思し召されていたら...」。
この早熟の天才は、どうも当時の精神的、心理的な調和である〈金〉を獲得しようとする錬金術の虜になっていたようだ。

画像に含まれている可能性があるもの:1人


カイム・スーティン
(Chaim Sourtine 1893.1.13.-1943.8.09.)
13日は、エコール・ド・パリの画家の一人カイム・スーティン(Chaim Sourtine 1893-1943)のHappy Birthday!!
バーンズ・コレクションのこの作品(ケーキ職人)は、コレクターバーンズが、全く売れてなかったスーティンの絵を画廊でみて、気に入りまとめ買いをした作品の一つ。だから、バーンズ・コレクションにはスーティンの作品は多い。人物は歪んでいるが、風景はもっと歪んでいる。
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http://www.barnesfoundation.org/collections/art-collection/object/6636/the-pastry-chef-baker-boy-le-patissier?artistID=51&rNo=6

崩れた形、激しい色のスーティンの作品について、「フランシス・ベーコンの肖像画に先鞭をつけたものであり、またデフォルメ処理は、アンフォルメルの画家ジャン・フォートリエの前例」という解説もある。

ベルト・モリゾ
(Berthe Morisot 18411.14.-1895.3.02.)
14日は、ベルト・モリゾ(Berthe Morisot 1841-1895)のHappy Birthday!!
1872年、モリゾは親子の愛を描いた作品「ゆりかご」を制作。
このモデルは結婚で画家を諦めたモリゾの姉エドマと姪。姉妹は一緒に絵の勉強をしていた。
同じ年に、エドゥアール・マネは、モリゾをモデルに「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」を描いている。
この絵は黒が好きなマネらしい美しい絵だ。
「ゆりかご」は1874年の第一回印象派展に出品。
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モリゾは、その年の暮れに、マネの弟ウジェーヌ・マネと33歳で結婚。
そして、37歳の出産と現代女性のようだ。
当時の女性としては、自分の意志で物事を決し、画家として活躍した近代的な女性であった。
1872年に制作されたこの2つの作品は、2007年に日本で開催された「オルセー美術館展」に展示された。

ポール・セザンヌ
(Paul Cézanne 1839.1.19.-1906.10.22.)
1月19日は、20世紀の新しい絵画、キュビズム、そして抽象画へと展開する絵画史に多大な影響を残したポール・セザンヌ(Paul Cézanne 1839-1906)のHappy Birthday!!
セザンヌは、堅固な空間を構築する画面を作り上げていったが、私は「セザンヌの静物画」が好きだ。テーブルの上の果物や瓶を自在に再構築した絵画を時間をかけて見ていると、鮮やかな色とゆるぎない形態による構図から彼の試みが見えてくる。
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http://www.nga.gov/content/ngaweb/Collection/art-object-page.136014.html

この1878,9年に描かれたNational Gallery of Art の「三つの洋梨」は、三つの洋梨を並べて描いたのだろうか。
いや、一つの洋梨をセザンヌが自分の空間秩序を探すために、3つに並べて再構築して描いたように思える。セザンヌの静物画は面白い。
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そして、追加記事。
19日はポール・セザンヌ(Paul Cézanne 1839.1.19.-1906.10.23.)の誕生日。
セザンヌといえば、30歳のモーリス・ドニの描いた「セザンヌ礼讃((セザンヌ頌)」(1900-01年、オルセー美術館 画像は⇒http://bit.ly/1zoYzuP )を見るとセザンヌの作品が讃えられていたことがわかる。
アンブロワーズ・ヴォラールの画廊の中で、セザンヌの「静物画」を囲み多数の人物が集まる群衆肖像画、1.8x2.4mの大作。
この作品が描かれた1900年は、セザンヌは61歳で既にパリを離れ故郷エクス・アン・プロヴァンスで制作を続けていた。セザンヌはこのパリの画廊で個展を開いたことがあるが、未だ一般的に高い評価を得ていない時期、30歳のモーリス・ドニはじめ、ナビ派のボナール、ヴュイヤールなど若い画家たちはセザンヌの新たな絵画への挑戦を尊敬していた。画面最左端の年老いた紳士はオディロン・ルドンという、60歳であった。外ではなく内面の魂を見つめるルドンもまた尊敬される画家であった。
更に、セザンヌのこの「静物画」は、ナビ派の指導者的な役割りを果たしたゴーギャンの愛蔵品であった。タヒチへと移り住んでしまったゴーギャンを偲ぶ思いも込められているものと思われる。
因に、このドニの「セザンヌ礼讃((セザンヌ頌)」は、発表後ドニと同年代の『背徳者』を書いた頃のアンドレ・ジードが購入してコレクションしていた作品。
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http://www.photo.rmn.fr/C.aspx?VP3=SearchResult&VBID=2CO5PCA9VKFI&SMLS=1&RW=1287&RH=614&PN=1#/SearchResult&VBID=2CO5PCA9VKFI&SMLS=1&RW=1287&RH=614&PN=1


エドゥアール・マネ
(Edouard Manet 1832.1.23.-1883.4.30.)
1月23日は印象派のリーダー的存在のエドゥアール・マネ(Edouard Manet 1832-1883)の誕生日。
相当豊かな家に生まれた、自分はサロンの出品するが落選が多い。
1867年のパリ万博に自分の作品が展示されないことに反発、親の援助のもと仮説会場を作って自分のワンマンショーを行なったという。
印象派の中心人物だったということを思わせるファンタン=ラトゥールが描いた集合肖像画がある。その中に画家以外でエミール・ゾラが描かれている。
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また、ゾラの肖像画はマネも1868年に描いている。背景には浮世絵と一緒にマネの絵もある。ゾラといえば、パリ生まれであるが、少年時代にはエクサンプロヴァンスで過ごしたことがあり、そこでセザンヌとも友達になっている。
ゾラは不思議な人だ。マネに好意的な評論で、マネを相当に擁護していたようだ。二人の関係をもっと知りたい。

ジャクソン・ポロック
(Jackson Pollock 1912.1.28.-1956.8.11.)
1月28日は、絵画美術の中心地をアメリカへと引きつけたジャクソン・ポロック(Jackson Pollock 1912-1956)の誕生日!!
アメリカへ亡命中のシュルレアリストたちの「芸術の源泉は無意識にある」に影響を受け、「絵の中にいることを意識しながら新しい抽象画を描いた」。
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http://bit.ly/LixjeG
スミソニアンのハーシュホーン美術館と彫刻庭園所蔵のポロックの作品「Number 3, 1949: Tiger, 1949」について、こども向けの解説があった。
「この絵はどこを見ればいいのかわからないよ」に答えて、
「一度のすべてを見たくなります.絵のどこを見てもほかの部分より重要に見えないので、視線が同時にいろいろなところに奪われます。中央に何かが描かれているわけでもなく、絵の上下、左右を示すものもありません。はじめは混乱しますが、やがて、通常の基準はここでは適用されないということ、始まりも終わりもないことを受け入れざるを得なくなるでしょう。」(出典:「フランス流はじめての名画の見方」フランソワーズ・バルブ・ガル著 栗原千恵訳 バイインターナショナル刊)



追加:
ジョヴァンニ・セガンティーニ
(Giovanni Segantini 1858.1.15.-1899.9.28.)
1月15日はアルプスの画家といわれるイタリア生まれのセガンティーニの誕生日。
2011年に展覧会があった。
「アルプスの画家 セガンティーニ ー光と山ー」(損保ジャパン東郷青児美術館)
ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-1899)といえば、日本では、大原美術館の作品「アルプスの真昼」(1892年)を思い浮かべる。
アルプスの澄んだ強い光の中で働く人を描いている。
この展覧会の記事があるので、それを見てほしい。
http://teshihouse.exblog.jp/17306320/

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ブリヂストン美術館では、「BEST of THE BEST」展を開催中です。
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ビルの改築工事のため、本展覧会が終了後、5月18日より数年間の休館となります。
そのため、今回の展覧会はブリヂストン美術館コレクションの名品約160点が展示されています。
19世紀以降のフランスを中心とする西洋近現代美術が系統だって揃っています。マネや印象派の画家たち、その後のポスト印象派、マティスから20世紀初頭の抽象絵画へと美術史の流れが良く理解出来ます。

teshihouse「お出かけ鑑賞教室」では、このブリヂストン美術館へは何度もお出かけしています。
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今回の鑑賞のテーマです。
テーマ:

自分の好きな絵を
どのように感じたか、
そして、
その絵をどうして好きなのかを
友達に説明する。

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今まで好きだった作品と違う作品が気になったり、新しい視点で自分の好きな作品を見つけたり出来ました。
感じたことを文章化します。
・・・
同じ美術館に何度も足を運んでみる。
同じ作品、前に見て感じたことと違う発見があります。
絵の見方も、その時の状況によって変化します。
作品の見方が、以前よりずーと深くなります。
画面の構成。
明暗。
色。色と感情。
筆の勢い、筆致。
描かれている事象の細やかな把握。
絵を見て感じる言葉による表現。

佐伯祐三「テラスの広告」を見て、以下のように表現したのを紹介します。
「色があざやかで、大胆。赤、緑、青と黄色」
「普通のただの広告や椅子だけど、色や描き方活気があり、にぎやかな場所に見える。」
絵の印象として、「楽しそうで踊っている感じがする」「はげしくノリのある音楽が流れていそう」。




「花のある静物画を描く」①-②_b0191395_13515421.jpg

2回シリーズの1回目です。
今回のテーマは、「花のある静物画」ですが、1回目は写生をし、2回目にその写生をもとに自分ならではの「花のある静物画」を描くことにします。
ちょっと理解し難いかもしれませんね。
「花のある静物画を描く」①-②_b0191395_1355789.png
教材では、マティスの作品を例にとって説明しました。
「花のある静物画を描く」①-②_b0191395_13561627.png
色と形が自由に構成された絵となっています。
この絵を見ると、「絵を描くことはどういう意味があるのだろう」と考えてしまいますね。
・描かれている色が実際の色と違う。
・「写生」と違う。
・実際の花を忠実に描いた絵ではない。

・自分が好きな色で描いている。
・自分が強調したい色やカタチに変わっている。

何故? 実際と違う色やカタチを描くのか?
「花のある静物画を描く」①-②_b0191395_13592658.png
・「写真」は真実を伝えると言われる。

「絵」を描くことも、真実を伝えること。
それは実際にあるものを再現するだけでなく、
描く人が、自分の感じた「色」と「カタチ」で自分の表現を作ることが「絵」を描くこと。
そこには、その人だけが作る「美」の世界がある。

・「絵」には、作品を描いた人の真実がそこにある。
以上が今回のテーマです。
この作品作りをすると、これから美術館へ行っていろいろな作品を見る時に、画家は何を表現しようとしたのか、何を伝えようとしたのかを考えることにつながることでしょう。
そうです。美術作品の鑑賞に役立つようにと今回のテーマを設定しました。

第1回目:写生
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描いた作品を見てみましょう。
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*第1回目:2015.3.08. am9:00-12:00


・・第2回:自分の表現
前回の写生をもとに自分の表現による「花のある静物画」を描きます。
水彩、パステル、アクリル絵具等自分が考えた画材で写生した静物画をもとにして描きます。
皆独自な描き上がりました。
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*第2回目:2015.3.21. am9:00-12:00